つながるクリエーション

アンケートによると、ご来場くださった多くの方が『ザムザ氏の変身』を衝撃を持って受け取られたようです。


世界の子ども達のことは分かりませんが、日本人でかつて砂遊びをやったことがない人なんてあまりいないでしょう。
それだけ身近であるけれど、それで実際に造形するのではなく平面のキャンバスであれだけ立体的に、縦横無尽な空間世界を生み出そうなんて普通の人は思いつかない。


3作品のどれも素晴らしいものだけど、目から鱗という意味ではやはりザムザが抜きん出いているのではないかと個人的には思います。


そういう感覚は、我々一般人だけでなく、実際にアニメーションの世界で活躍している人も例外ではないようです。
ご来場くださった方が後日書かれたブログに、ザムザの影響を受けているアニメーターについて書かれているものがありました。


佐藤竜雄(アニメーション監督・演出家)(*1)が選んだ「フィルムが作りたくなる20本」
http://www.style.fm/as/04_watch/watch06_1.shtml
(この作品について特に言及がないのが残念ですが・・・)


アニメーター・イラストレーター・キャラクターデザイナー福島敦子さん(*2)は、
学生時代に『ザムザ氏の変身』を観て、なんと小麦粉を使って自分でも試してみたのだとか。
http://www.style.fm/as/01_talk/fukushima01.shtml


そして、砂アニメーション作家の飯面雅子さん(*3)は、
この『ザムザ氏の変身』の影響で、その道を志した方なんだそうです。
http://www.nurs.or.jp/~sug/exp/ani8hist/talk.htm


人の人生を変えるような出会いは、本だったり人だったりあるいは映画だったり人それぞれ違うのだろうけど、そういう初心に立ち返れるものや場所がある人は、いざという時に強さを持っていたりする気がします。


ちなみに、非常に個人的なことになりますが、
私にはその出会いがおそらく3つあって(ちょっと多すぎか?)、そのうちのひとつは大島渚の『戦場のメリークリスマス』ですかねぇ。
何度も何度もビデオで観た後に改めて映画館で観た時の激しい後悔というかショックというか、その感情が自分の映画との関わり方を決めたような気がします。

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*1 佐藤竜雄
 代表作は『飛べ!イサミ』『機動戦艦ナデシコ』『学園戦記ムリョウ』『宇宙のステルヴィア』など

*2 福島敦子
 アニメーターとしての代表作は『金の鳥』『Manie-Manie 迷宮物語』など。
 近年はゲーム「ポポロクロイス物語」のキャラクターデザインが有名。

*3 飯面雅子
 彼女の作品のひとつ、「すなえあそび」を観ると、前半部分に『ザムザ氏の変身』からの
 影響を強く感じ取ることができる。
 (ネットで動画を見られるので、興味のある方は探してみてください)