遅ればせながら、2008年の映画ベスト10 (には満たず)

画像は、言えない秘密



この8年ぐらい、毎年やっているのが
「映画館100本ノック」。


私の映画的嗜好として、劇場で映画を観ることに
こだわりを持っていて、
その実践的行動なのだが、そのノックと合わせて、
毎年末にやっているのが「ベスト映画」の選定。


これは、当時勤めていた某雑誌の編プロで、
毎年年賀状にスタッフの年間ベスト映画をイラスト付きで入れていて、
そこで毎年ベスト映画を決める・・・ということをやっていた
ことから始まったものだ。


同僚の誰もが映画好きで、それぞれ違ったベクトルを持った人の
集まりだったので、人それぞれ挙げる作品が全然違っていて、
毎年、スタッフとああだこうだ言いながら悩みながら選ぶ
という作業は本当に楽しかったなぁ・・・。


ということで、以下、去年1年間に観た映画とともに、
さらに下にベスト映画を挙げさせていただく。

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1/3『サウスパーク 無修正映画版』 DVD
1/3『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記
1/5『レミーのおいしいレストラン』 DVD
1/9『タロットカード殺人事件
1/12『スティーヴィー』
1/26『飾窓の女』 スクリーン?


2/1『俺たちフィギュアスケーター
2/3『いのちのたべかた』
2/6『肉』
2/11『人間の街 大阪・被差別部落
2/13『現金に体を張れ
2/16『おそいひと
2/24『アメリカン・ギャングスター
2/27『ぜんぶ、フィデルのせい


3/5『ベルセポリス』
3/9『ドラえもん のび太と緑の巨人伝
3/12『ダージリン急行
3/16『ガチ☆ボーイ』
3/19『ノーカントリー
3/23『ラスト、コーション
3/30『性賊 セックスジャック』
3/30『犯された白衣』
3/30『裸の銃弾』


4/2『ミスター・ロンリー
4/13『犯す!』
4/16『接吻』
4/19『花弁のしずく』
4/19『大人のオモチャ ダッチワイフレポート』
4/26『インランド・エンパイア
4/30『大いなる陰謀』


5/2『ルパン3世 カリオストロの城』 TV
5/4『相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン
5/11『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
5/14『ブレス』
5/17『硫黄島からの手紙』 TV


6/1『パリ、恋人たちの2日間
6/1 あと1本・・・事情により伏せさせていただきます。
6/11『シークレット・サンシャイン
6/15『ぐるりのこと。』
6/25『JUNO/ジュノ
6/29『空飛ぶギロチン』


7/1『ぼくの大切なともだち
7/3『チャウ・シンチーのゴーストハッスル』
7/13『ミラクル7号
7/16『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』
7/26『アクロス・ザ・ユニバース


8/1『テネイシャスD 運命のピックを探せ』
8/3『カンフー・パンダ
8/10『ダークナイト
8/17『攻殻機動隊2.0』
8/24『TOKYO!』


9/6『ターミナル』 TV
9/7『インビジブル・ターゲット』
9/10『LOOK』
9/14『デトロイト・メタル・シティ
9/15『水俣病 その20年』
9/15『水俣病 その30年』
9/15『留学生 チュア スイ リン』
9/15『海とお月さまたち』
9/28『闇の子供たち


10/4『海角七號』
10/10『言えない秘密』
10/17『イントゥ・ザ・ワイルド
10/19『私のマジック』
10/21『2匹のロバの物語』
10/23『陽山道』
10/25『この声なき叫び』
10/26『ブリジット・ジョーンズの日記』 DVD
10/27『フツーの仕事がしたい』
10/29『落下の王国


11/4『ノモンハン
11/4『天皇伝説』
11/8『He said, She said』 ビデオ
11/15『自然のしくみ』『船』『パナマ運河
11/15『三等賞の子山羊』
11/16『スウェーデッシュ・ラブ・ストーリー
11/16『愛おしき隣人
11/30『ヒストリー・オブ・バイオレンス
11/30『イースタン・プロミス


12/6『レッドクリフ Part1』
12/13『イザベラ』
12/13『姉御』
12/13『イゴールの約束』
12/13『ロゼッタ
12/13『息子のまなざし
12/13『ある子供』
12/28『シルミド』 TV
12/29『リンダ リンダ リンダ』 TV

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(以下は、mixiの日記流用につき、いささか語気荒めだったりしますが、
日常的口調はこういう感じ、ということで、ご了承ください)


100本突破できると翌年緩み、緩んだ翌年はまた突破して・・・
ということを交互に繰り返しているような気がするが、
そんな訳で、去年はスクリーンでわずか77本。
(TV・DVDなど9本)


過去最高を記録した一昨年の121本というのを考えると、
40本以上減っていることになる訳で、それだけ見逃して
(もう出会うことはないであろう)映画が多いということだ。
なんとまぁ恐ろしいことか・・・。


で、去年は旧作・名画座系によく行った記憶があるので、
割合はどんなもんだろうと数えてみたら、新作53本/旧作系24本
であった。


毎年選んでいるベスト10を、その53本から選ぶというのは、
正直申し訳ないというか、年間に公開されている映画の1割しか
観てないくせにベスト10本だなんて、なんだかフェアじゃないわ
という気がしなくもなく、今年はベスト10本ではなく、
77本にちなんでベスト7として発表することに(笑)


では、さくっといきますと、


1位 イントゥ・ザ・ワイルド


2位 ノーカントリー
3位 接吻
4位 言えない秘密
5位 ダークナイト
6位 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
7位 闇の子供たち


今年は本数が少なかったのと、正直なところ、
1位と2位はものすごく迷ったのだけど、やっぱり例年通り、
選び手の人間味が加味され、イントゥ〜が1位。


3〜7位は、たまたま今日の気分でこうなっただけで、
明日考えたらまた違ってただろう・・・というぐらい拮抗し、
言い方を変えると上位2本とは余りにも隔たりがある。


つまり、なぜ10本選ばなかったかというと、
選ぶ時にこれはベスト10レベルだよな〜というやつをまず抽出した
のだけど、その時点で10本なかった訳。
そうなったらちょっともう心情的に選べない訳で・・・。



ところで、先日キネ旬のベスト10が発表されてましたが、
http://variety.nikkei.co.jp/news/article.aspx?id=20090108009


これを見て、3つの大きなショックが・・・


まずは、
「外国映画がまる被り」


ノーカントリーは当然素晴らしい傑作(私も2位にしてますし)ですし、
コーエン兄弟はついに別世界(とんでもない人たちという世界)に
突入したのではないかと思います。
そして、キネ旬読むような人はこれを絶対1位にするヤツらばかり
なので(多分)、イントゥ・ザ・ワイルドが別に4位でもいいんですよ。
(映画としてはノーカンの方が優れていると私も思ってます)


なんだけども、私が挙げた海外4本が4位までと全く一緒という
恥ずかしい有様・・・いかに話題作しか観てないか、という昨年の
怠惰っぷりを思い知らされまして・・・。


そして、
外国映画8位 エグザイル/絆


これを観ずしてベスト10は決められんでしょう、ということで、
年末観るつもりだったのだが、生来の怠け心が勝ってしまい、
これを観ぬまま年を越してしまった訳・・・。


その結果が8位だもんなぁ・・・。
まぁ、これに関しては、これを見た人が「エグザイル」って
どんなものかしら・・・と劇場に足を運んでくれれば嬉しい展開な訳でね。


そして、日本映画は見逃した映画が余りにも多くランクイン・・・。



あと番外編ですが、


特別枠:「海角七號」


これは久々に行ってきた海外・台湾で観た映画なのだけど、
旅行当時台湾でバカヒット中だった青春ラブストーリー。


去年のアジア海洋映画祭イン幕張でグランプリ獲ってたのだが、
出発前のことで、全く知らず・・・。
http://www.amffm.net/2008/4th-movie.htm#umi


日本でフツーに公開されたとしてもスルーする類なんだろうが、
観ようと思ってた映画に間に合わず、次に見られる現地の映画は・・・
ということでたまたま観たら、これが殊の外よかった訳。


挫折を味わった青年が色んな人たちと出会い、ぶつかり合いながらも
ひとつの目的に向かって突き進んでいく・・・とまぁありがちな話
なんだが、あんまり難しいこと考えずに、皆で笑ってハラハラして
ホロリとできて・・・というね。
中孝介が特別出演(そしてなぜか1人2役)してたのだけど、
昔のパートは全くもって不要(笑)、これがなければもっといい映画に
なってたろうに。


久々の海外というテンションの高さが加味されてることは否めないが、
台湾映画というと、イメージとしてシネフィルな映画ばかりが
作られているのかと思っていたのだけど、庶民が好む映画はこういう
感じなのね・・・というのが分かったのは、貴重な体験だった。




・・・ということを台湾から戻ってきた後、
結局書かなかったので、今回残しておくことにしました。



そして最後に、恒例(?)のワーストですが、


ダントツ1位は、
デトロイト・メタル・シティ
人に感想を聞かれたら「DVDでも観る必要なし」と答えるように
してます。民放オンエアの時で充分かと(笑)


あと、
「ブレス」
キム・ギドクチャン・チェンということで相当に期待してた訳だが、
私はこのギドクの世界にいささかの不安を覚えはじめております・・・。


己の内にあるものを突き詰めて表していくのが表現者だ、
とはいっても、その方法・形は他者と分かち合えてこそ意味がある
はずである。
例えばこの「ブレス」は現代劇なので、究極の愛を表現するとしたら
ある程度現実に即した中で表現していかないのではないかと思うのだ。
だけども、例えば受刑者が面会室でSEXするとか、現実的に絶対に
ありえないことをやってしまっては、そんな愛は嘘でしかない訳で、
つまりそれは、俗な言い方をすると「自分の○○○ーを人に見せるな」
ということになる訳。


そういえば、同じく世間からはみ出した男女が繰り広げる刑務所モノ
として「接吻」がありますが、これは恐ろしく衝撃的で面白かった
けど、それは上の条件を満たしつつ人間の感情と闇を見ようとするから
凄い訳で、「ブレス」が酷すぎるというのは、そのあたりが関係して
いるのではないかと。


もうすぐオダジョー主演の「悲夢」が公開されますが、
どうか元に戻っていてほしい・・・と願うばかりである。




まぁそんな訳で、今年はどんな映画と出会えるかしらね〜。